SF洋ドラ近況

 年末進行の季節がやって参りましたね。
 いやぁ、、、今年は、大掃除すらしないで終わりそうで怖い。なんかもう積みamazon箱の山が酷いことになってる気がするんですが。いや忙しい訳でも何でもない筈なんですけどね。「筈」ってなんだよと、突っ込まれましたよ。

 さておき、いやぁ「FRINGE」(CSでシーズン4)は相変わらず面白いね。
 これと、cartoonの「ヤング・ジャスティス」に息抜き要員の「ベン10」を金曜夜に見た時点で充足して一週間が終わりを告げてしまう感が半端無い。土日はどうしたは禁句。

 昨今はSF以外でもよく見掛けるようになってきた、時間改変や別次元などのいわゆるパラレルワールド展開。その洋ドラ版ともなると俄然盛り上がるというものでして。
 この「FRINGE」ではメインキャラのピーターが過去に死亡済みの時間軸(時空)でのウォルター(父親)の孤独感と憔悴を描くところから始まって、「あ~早くピーター戻してあげて」と視聴者に思わせる描写もなかなかだなと思って見ていたけれど、そのまま自責の念ですっかり殻に閉じこもってしまったウォルターを立ち直らせる為に別次元の奥さんを引き合わせるという展開にはなかなか痺れましたよ。何と言っても「目の前で息子を連れ去って結果死なせた張本人」であって、もちろん複雑な要因があることは理解しているとはいえ、「もう会うこともないと思ったけど」の台詞が物語るように、心中を察するにあまりある再会。とはいえ決して棘の立つ展開ではなく、別次元では国防長官の奥様という立場だけあって相当できたお方ならではの、慈愛に溢れた説得という感じでしたが。ただまぁ如何せん、声のお陰で引きこもりウォルターを診るカウンセラー・トロイ以外の何物でもなかったとは、つい付け足させて頂きますが(笑)。
 ともあれ、こういった今シーズンの「別の時間軸」をキーにした話はこれに限らずエピソードの各所に巧みに織り込まれていて、それらを見るにつけやはり、このテーマを元に発生する数多のアイデアを抱えた上で、ここぞという所で組み合わせて用いる脚本構築のうまさというものをつくづく感じさせられる。

 因みに洋ドラでのパラレル系の展開といえば、最近記憶に新しいのは「ユーリカ」。あれはシーズン4冒頭で過去の時間改変で書き換わった現在に舞い戻ったところで、それがそのまま新たなシーズンの舞台になるという展開に「あ、戻すんじゃないんだ?」と感心した思い出。そしてこのFRINGEでもシーズン3での「(対立中の)別次元の話」(「まとも」なウォルターのおっかなさが半端無い)から、シーズン4での「書き換わった時間軸の話」と毎回趣向を変えつつも、まぁ要はやっていることは「別の可能性の中で話を作る」ということだよね。
 これが実のところ、洋ドラのシーズン間のマンネリ回避にも都合が良く、ユーリカではむしろそこで「これがSF流テコ入れか!」と当初は笑わせて貰ったりもしたくらい。都合の悪いところもリセットできたりと便利アイテムの側面も決して否定はしないけど、ただきちんと落ち着くところは落ち着かせる、その話作りの素材としての用途がやはり主であって、うまくパラレル要素を使いこなしているという印象を受ける。
 要は、「どう設定を変えて書いてもうまい」の一言。様々な可能性を媒体にしてよりキャラクターに深みを与える、いくら条件を変えてもぶれない部分はぶれないうまさ。

 ああ、ユーリカ最終シーズンも見ないとなぁ。ユニバーサルチャンネルの日本撤退は何気に痛かった。あのB級SF満載っぷりは実に貴重だったのに。