白金Z

 最近めっきり原作オマージュが加速しております、パワパフZ。
 今回はプリンセス(姫子)の姉貴が、当人の代わりに本家由来のパワードスーツを着用。しかもオチが小堺のナレーションと来たもんだ。勿論、判ると面白いけど判らなくても十分行ける構成なので素直に楽しめた。ただちょっと物足りない感はあったけどね、こういう回こそ30分枠で豪勢にやれよとも思ったけど、むしろ間延びしてグダグダになるよりは短くまとまってて良かったのかな(ぉ)。
 というかその物足りなさの元凶は、完全に脇役に身を落としていたプリンセスの扱いかと。「姉貴への嫉妬」がモンスター変化の一端の筈だったのに、散々除け者扱い喰らっても怒る素振りも見せず姉萌えという訳の分からない締めで本筋に絡まないのはおかしい。どうせならモジョなんぞ使わずに直接プリンセスをやられ役にして、「きー、またお姉様目立ってる!(その手助けをしたのは実は自分)」とかいう道化オチが奴の収まり所だと思うのだけどね。
 どうもこの辺詰めが甘いというかヌルいというか。金持ちで目立ちたがり屋だけど、実は家庭では姉の陰に隠れてしまっている可哀想な子、という半端な「救い(のつもり)」の要素を突っ込んだ所為で実にパンチ力の弱いキャラになってしまったと思う。いや、これでもZの中じゃ「最後の希望」的キャラだったりするんだけどね(えー)。あの設定だけはマジで要らないと思ってたけど、今回も足を引っ張っただけだったね。

 ま、不味い所には目を瞑って、今回は素直に姉貴の活躍を楽しむ回なんだけど。
 その点で一つだけ突っ込むと、姉貴のスーツが機械製っぽくなかったのは残念。お前どうやって浮いてんだ、という(そもそも三人組もどう浮いてんのか釈然としないけど)。反重力とか言葉で誤魔化すのは簡単だけど、元来三人組の特殊能力に対して(金の力に物を言わせた)機械の力で対抗したという物なので、記号的にはっきりと判る差を作るべき。まぁ小道具こそ謎のトランスフォームを披露してくれてましたが。基本的に「そんな考えてないんだろうなぁ」と思わせてしまうのがこの番組の根本的な弱さなんだと思う。

 うーむイカン。また余計な事を考えてしまった。
 まぁ、
「素晴らしき美貌、溢れる知性、そして使い切れないオ・カ・ネ」
 実の所、これが書きたかっただけなのかもしれない(笑)。こういうナメたキャラ大好き。