Mass Effect 3 クリア

 「Mass Effect 3」、クリア。
 いやぁ、今回はフラグ分岐の構造が非常に面白くなったね。
 2の時に書いたようにこれまでは様々な選択が足跡として記録に残っていくゲームだったけれど、今作は過去二作分の経緯が直接シナリオに被る構図になったことでより一層面白味が増した。キャラの生死等で登場人物から変化するので、人が変われば台詞も変わる。流石にシナリオの大筋までが変化する訳ではないけれど、細かいシーン演出では様々な部分で過去の大小のフラグが反映され変化を及ぼす。それは正に自分が紡いできたゲームプレイの反映に他ならない訳で、そこにインタラクティブ性が非常に強く実感できる。それこそデモを見ながら「もしかしてあの選択(行動)が影響したのか?」などと必要以上に錯覚していく感覚は実に面白い。

 もっとも基本的に選択肢自体はパラゴン(善玉)・レネゲイド(悪玉)の二元論なのだけれどね。まともな道を歩きたければパラゴン一択とも言える。レネゲイドなんて「銀河一の嫌われ者を目指そう」などという煽りが入るほど。ただ、今作については(基本パラゴンだけど)ところどころ割り切れない選択を感じたようには思う。ジェノファージの件なんて、レックスだから信じられたけど代役の弟リーブだったらまず裏切りを選んだんじゃないかとすら思う。戦時中故のバタバタが単純なモラルで片付かないものを感じさせてくれたというか。結果、悪人顔をしてしまうのかも知れませんが(笑)。

 まぁ、こういった作りは1の時から目指していた(ないし内包していた)ものなんだろうけどね。個人的には今回初めて強く実感できたかなということで。

 そんな訳で道中は十分に楽しめたように思う。
 ただ渦中のエンディングについては、一言で言えば「やっちゃったな」という感じ。
 クリア当初はそんなに気にせずスルーしたのだけれど、あまりにも批判が激しいので気になって調べてみた。以下、一応ネタバレ警戒注意報

 どうやら、まず一部人気キャラの扱いが酷かったのと、何よりマルチEDと謳っていたものがまるでマルチでなかった件。それに1,2と違い「王道」と「典型」を履き違えたこと。問題としてはこんなところかな。
 まずイルーシブマンが思っていた以上に人気キャラだったようで、これが1のサレンと同程度の結末しか迎えられなかったのがファンには不評を買ってしまったよう。私的にはまずサレンの時点でガッカリを味わっていたので二度目は堪えなかったのだけれどね。またこれは3つ目にも関わる部分だけど、言ってしまえば凡作レベルのありがちな展開でしかなかったこの「ありがち」というものが、1は王道として評価されたのに対し、3は典型止まりでしかなかったのが問題と言えるのか。目指したものは変わらないつもりだったのだろうけどね。
 またマルチEDについては、結末としては三分化されるもののデモがあまりにも酷いコピペというのを知った時は自分も流石に呆れた(興味ある人はこちらをどうぞ。ネタバレと言うほどでもない)。これまで散々フラグによる多彩な変化を見せていた作品の結末がこれでは頂けない。とはいえこれも「演出レベルでは変化するが大筋は変わらない」このゲームの分岐システムからしてみると、どれも似たような収まり方をするのはある意味規格通りだったのかもしれない。まぁ最後くらいしっかりしろよ、とは思うけどね。

 そんな訳で、書き出してみるとやっぱり何だか「そんなものじゃないか」と思ってしまったのだけれど(笑)、でもそれ以上の期待をしていたファンは世界中にたくさん居た訳で、その期待に応えることが出来なかったのは非常に残念でならないね。

 あー、このすっきりしない感が何よりファンの不満なのだろうね。寂しいな。
 でも道中は面白かったですよ(些細な点は些細な物として)。三作分のプレイを積み重ねてきた感慨というのは間違いなくあったと思う。