COM再考

 「FUEL」
 ようやっと全マップ出し終わった。
 「雪山は何処にあるんだ」と思っていたら最後の「RAINER PEAK」がそれだった。あちらでは雪のこともrainというんですかね、よく分かりません。
 まぁ雪で滑りやすく視界も苦しくなるスノーレースは難易度の都合上最後になりやすいのかな。とはいっても最後に満を持して登場した降雪レースは難度控えめに広い道が続いたので、期待していたほど涙目ともいかなくてインパクト弱めだったのが残念。ま、ここはラリスポ2ラストステージのヘビースノー・ナイトステージという凶悪仕様を乗り越えた身としては致し方ないのかもしれないけど(笑)。ただ個人的に、ゲームの思い出というのはある程度の苦労とセットになるものだからなぁ。一個くらいまずはクリアだけで手一杯ってステージがあっても良かったのに、さっくりゴールドでは寂しい。(ここは実績コンプリート時代の「無難に全クリアが保証される時代」の弊害だよなぁ、とも)
 まぁまだキャリアコースを一通り見ただけで、(基本的に水増しが多いとはいえ)チャレンジコースの方にも個性的なものはあるので、ゆくゆく見ていこう。

 むしろ苦労したと言えば、雪こそ降っていないものの高速マシンの危なっかしいグリップで狭い崖沿いのダウンヒルとしゃれ込むレースの方。やはり難しいコースを如何に丁寧に走りきるか、の方に脳汁が出るタイプなので。でも悲しいかな、これは下位COMの邪魔の所為で難易度が急上昇という、典型的な駄目ステージの部類に収まってしまう構成なのが痛い。
 ただでさえ雪道で安定しない(それを安定させる事に集中したい)下り坂で、下手にアクセルを緩めたり僅かに足を取られて脇に逸れようがものなら、無粋なCOMが頭を突き出してきて人様のリアを小突いて車体が思いっきり捻られてハイさようなら。自分の詰めの甘さが原因なので怒るに怒れないし、このやり場のない何とやらな悶々とした気分にさせられて素直に楽しめないんだよなぁ、こん畜生(苦笑)。
 そのくせCOMは平気でオーバースピードでヘアピンに突っ込んで、ガードレールも無い雪山ダウンヒルではハイさようなら、の筈なのに有り得ない超絶トルクで斜面を這い戻ってくる訳ですよ。正にチート級の復帰能力。その勢い余った超加速で崖下からポンポンジャンプしてくる様は最早笑うしかない。
 つくづく酷いCOMですね、先生。ははは。

 COMはやはりなぁ、仕様上ゲームの主構成要素になってしまうのにこの出来は大変頂けない。
 あれから試してみて分かったけど、やはり規定時間で走り終わるよう速度調整が入ってるね。
 ちょっと出遅れてCOMの1位だけが突出して600m以上も置いていかれた際、今までなら諦めてリスタートしていたけど、タイム的には大してロスしてない気がしたので試しにそのまま走り続けたら、暫くは全然埋まらなかった差が終盤になって急激に詰まって余裕で逆転出来てしまった。COMのスローダウンじゃなきゃ何なんだというレベル。
 この序盤に追い着いておかないとCOMが突出する件、おそらくは距離が開いて「処理範囲外のマップに出た際に計算値のみで走らせる」状態になって、そのコマの進ませ方が速すぎるのだと思う。それで思い直したかのように終盤でタイム計算してスローダウン、ってオチじゃないかな。
 この点、要するにますますもってCOMの走り具合は全く参考にもならないという事ね。
 自機周辺に居る時は、各々衝突処理もされて、速度と姿勢に応じて跳ねたり吹っ飛んだりもするという、一応「車両が走っている」なりの処理はされている(でももしかすると単に速度を持った車両型オブジェクトを地形沿いに動かしてるってだけかもなぁ)。ただ各々は自分のレールに沿って動くよう厳命されているので、ラインを外れればたとえ自機を押しのけてでも元に戻りたがるし(これで序盤は事故りやすい)、それこそ崖下に落ちてもチート加速で復帰してくる。こうしてレールに乗りつつ、その進行速度は自機に合わせてそれっぽく競争させる速度で動かして演出する。一方マップ外の計算値走行になった場合はただ等速で動かすとかその程度じゃなかろうか。そうやって何ちゃって処理を積み重ねた結果、大幅に総合タイムにずれが出てしまうようなら急に速度調整を始めるといった処理なんじゃないかなぁ。
 ぶっちゃけ、とんだクソCOMですね、はい(苦笑)。(推測の域は出ないとはいえ)
 でもまぁこれが一番手軽に作れたんじゃないかとは思うけどね。先日も書いたようにCOM各々の完全シミュレートが出来る内容じゃないし。最低限の誤魔化し設計の成れの果て。しかしそうして出てきた物は、実際見えている物はただのフェイクで、結局はタイムが道標だという、一体何の為の併走レースなのか解らない代物。こんな事なら最初から素直にチェックポイント毎に目標タイムとの差を表示する形式にしていた方が遙かに有用且つ低コストだったろうに。

 などと、元々タイムアタック派なのでそういう話にはなってしまう訳だけれど、改めて思うに「併走レースに仕立てる意味があるのか」、と。「COMを何とかする」事よりもゲーム構造そのものを考え直して欲しい。嫌でも競争の雰囲気を出したいならゴーストとの対戦にでもしてくれと思う。台数分用意するのもまた面倒くさそうだけど。

 まぁこんな酷いCOM相手によく全キャリア走破したなと言われそうですが、現実的には「序盤~中盤に邪魔となる」だけで、プレイヤーとして第一にやるべき事は「上手く速く走る事」であるからこそ楽しみの方を優先させられたという感じかな。挙動もイージーだけど嫌いではない、というところだし。
 これが終始COMブロックに気を遣うカツカツの本格レース模様だったらコントローラを座布団に向かってポイ捨てしてた(<一応理性は残してる(笑))かもしれないなぁ。

 因みに、「取り敢えず全コース出してCOM無しタイムアタックモードで遊ぶ」と最初は思っていたんだけど、中盤くらいまで進めたところでそんなものは存在しない事に気付いてあら大変。
 つくづく酷いゲームです(笑)。
 この際タイム無効でもいいから裏技でCOMを消させてくれないものか。