過去の栄光で終わるのか

 CSでやっていた「仮面ライダー THE FIRST」を見てみた。
 現代アレンジのスーツ等、CMの雰囲気は悪くなかったので期待しちゃっていたのかもしれない、結果、
 「何、この物凄いガッカリ感」(苦笑)

 当時に方々で語り尽くされている筈なので繰り返しませんが、あまりにあんまりな脚本に「また何処ぞの素人でも起用してしまったのか」「つくづく人材の育たない業界なのだな」などと酷い溜息をつきながらEDテロップを見ると、「嗚呼ぁ、、、」。この業界お馴染みの人でした。
 以前から色々と批判の絶えない人だけれど、当人よっぽどこのシリーズに恨みがあるのか、酒でも呑んで酔っぱらいながら書いたのか、向き不向きの問題を別にしたってこれは酷い。曲がりなりにも職歴の長いベテラン格がこういう脚本を書いちゃっていいのかなぁと思いましたよ、今回ばかりは流石に。
 何のかんので自分も脚本のあれこれを意識するのは最近になってからのようなもので、アギトの頃はそれと意識せずに満足していたんだけど、今見直すと散々だったりするのかなぁと思うと非常にやるせない物がある。

 でもって、
 記憶の中では好印象のシナリオ、というと何気に脳裏にちらつくのが「ヘラクレスの栄光」シリーズ。
 気が付いたらもう今週、っつか明日、何とこの期に及んで最新作が出るのですよ。そりゃもうびっくり。よりもよって任天堂ブランドでですよ?(笑)

 もっとも「随分前に他の名前で出ていたゲーム」とは聞いていたので、適当に名前引っ張ってきただけの単なる紛い物だろうくらいの気構えで居たら、何と、脚本はちゃんとシリーズ代表の野島氏を引っ張ってきていた模様。インタビューを見る限りでは「監修として入ったけど結局シナリオもやらせてもらった」とのこと。うーん、これはつい期待してしまいそうな。いやいやいやいやここで油断してはいけません(ぉ)。でも実際どうなんだろうね。フライング情報ではやはりサブ担当がそれなりに居るみたいだけど。うーむ。

 ともあれ、この脚本というのが実に悩みどころ。
 自分もやっぱり3の終盤のインパクトに惹かれたクチで、物としてはいわゆる厨二的な要素が含まれるという認識には全面的に同意。けれども、その組み立て方というか成り立たせ方に引き込まれて思い出として記憶に残っているという。構造的には厨二なんだけれどだから悪いという訳ではない、とは思いたい所なんだけれど、先の話のように今の自分が見直してみると冷めてしまうものなのかどうか、素直に自信が持てないんだよね(苦笑)。思い出は思い出のまま、とはよく言ったものだし。
 ただ、氏が参画していたという2の頃から、端々の町民の台詞に滲み出る世界観、社会観といった物に惹かれていた一面もあって、それは同3・4でも勿論、以前読んでみたバハムートラグーンの台詞集にも通じるものだったので、これが氏の持ち味と言っていいものなんじゃないかと思う(インタビューでもそんな感じの事が書いてある)。こういった部分が生きていてくれさえすれば、たとえ骨子がインパクト重視の悲劇等を柱にしていても、それはそれとして受け入れられるものなのかなぁと思ってみたりして。どうだろうなぁ

 昨今とにかく大嫌いなのが「印象重視」を求めるあまり、それを軸に話を組み立ててしまう代物。ましてやその為に前後関係がしっちゃかめっちゃかなのとかね。この辺、何と言うか「不可解さが不愉快さに繋がる」ような、行き過ぎた御都合主義は流石に困る。無論、別に整合性を求める事が全てじゃないというのは自分がTFオタやってると言えば了解して頂けるかとは思いますが(ぉ)。何事も全体を成立させる上でのバランス・節度といったものではないかなと。

 どうだろうなぁ、どうなんだろうなぁ。あー怖い(笑)。