現代版ゴジラ

 前回エントリが盛大な前フリになることに後付けで気付いてしまった時点で今月のミッションは決まっていた筈なんですが、さて(少し前の)連休を活用しようかなという矢先にスマホがぶっ壊れやがりまして。いや、またかよ!と(二代続いて再起不能からの買い換え)

 しかし今は正直色々時期が悪くてロクな候補も上がらない時勢なもんで。ちょっと思うところもあって低コスト路線のZenfone3を選んでみたんですが。まぁ案の定と申しますかね。一応断っておくと「値段それなり」ではありますが。
 元々細かい人間ではあるので、今後の自分のためにも今回気になった点をつらつら書き残しておこうシリーズを展開するつもりだったんですが、結局何を書いても愚痴に収束しそうな気配に流石に萎えてきたというか。次々あれやこれやと発覚する事実に最早、怒りと諦めの同居した苛立ちが隠せない。
 まぁ最近、ブチ切れ金剛ゲージが常にフル充填の一歩手前で止まっているかのような危うさにあるのは正直自覚できてしまっているんですが。もっと出力を上げて楽しく怒れる人間になれればいいのでしょうか、とよく思います(ぉ)。

 そんなこんなの所に、「見た方がいい」と言われながら(隣町まで行くのを)億劫がっていたら公開終わっちゃうよ、ということで「シン・ゴジラ」を見てきたら、正に評判通り、「いや~、良かったなー」と。折角書くならこういう話の方がいいんじゃないかと。

 最初に思ったのは「真面目に作ればここまで出来るんじゃん」と。ほんとこの一言。
 邦画はまるで詳しくないとはいえ、それでもたまに見るものや世間の評判からも容易に想像しうる惨状ではあった。海外からも「日本人はバカなのか」と言われるくらい。「いやもう誰も興味が無いだけですから」「ほっといてるだけですから、勘違いしないで下さい」とか、それくらい邦画の腐敗っぷりには目も当てられない。
 その点、実に潔く駄目なところをバッサバッサと切り落としていったかのような出来映えには感心したというか、作中の「日本はまだやれる」にその思いが込められまくっていたとしか言いようがない。
 あるいはもっと言葉を選ばずに言えば、「これを機にゴミは一掃されて欲しい」と申しますか(酷)。いやほんと一度これくらい言っておくべき。

 またゴジラ映画としても本家日本の面目躍如というか。シンと銘打っただけの事はある。
 個人的にはゴジラは初代が全てで、以後の娯楽怪獣特撮の部分には全く興味がないとは断っておきますが。いやそりゃ自分も幼少の頃は兄貴のお下がりの怪獣図鑑をワクワクしながら眺めていた世代ですけどね。でも「大宇宙ブラックホール第三惑星人」とか、幾ら大衆娯楽路線にしたって子供騙しにも限度があるだろうと。ビオランテなんかもコンセプトが好きだっただけに脚本の酷さにガッカリした記憶があるし。友人と話していて、邦画の癌は「クソな脚本とクソな演出」という話になったけど本当にそう。
 それだけにハリウッドの二作目GODZILLA(トカゲじゃない方のリベンジ版)も興味はありつつも見損ねていたんですが、今回、「あー、これには敵わないだろうな」というか、現代版ゴジラというべきものをきちんと日本から出せて本当に良かったなと思う。

 もっともベタ褒めするだけじゃなくてやっぱり「庵野だな…」って部分もあるんですが、でも「庵野だな!」って良い意味の部分が強いからこそのこの高評価だとは思う。
 やはり難点を挙げると、まぁありがちな「語りすぎのオタク脚本」。台詞が多すぎて字幕にしても吹き替えにしても相当ネックで、海外での評価がどうなるかなという点では不安も覚えるところ。
 玄人に受ければいい、のでは結局は今までのまんまだし。そもそもが説明好きはアニメ畑の悪い癖以外の何物でもない。綿密に見せるリアリティがゴジラのヤバさの演出に繋がっているというのは大きいけれども、そこは綿密な地固めをしつつも、それを簡潔に見せる力量ってのは必要だし、それこそが自分が洋ドラ・cartoonを評するところでもある。
 ここは我々は「庵野だからね、仕方ないね」で済むけれども。中央の一番いい席を取りつつも遅れて来た子連れの親御さんには果たしてどう見えていたのかなぁ。

 まぁでもゴジラの演出は本当に随一。
 「あ、これ、あかんやつや」感が半端ない。ここは流石アニメーター、というところ。
 多方面に遠慮せずに清々しいまでの負けっぷり破壊っぷり。自衛隊だろうが米軍だろうが。
 たぶん庵野としては「怪獣なんだから、勝てないし、壊されてナンボでしょ」くらいの当然の帰結であって、その為には手段は選ばないと。
 結局諸々バッサバッサと出来たのも、「そんなの駄目」「いらない」と庵野が思うままに突き進んだ結果なんだろうなと思う。「スタッフ全員と喧嘩した」というけどそりゃするわ(笑)。

 この辺、作中にある「スクラップ&ビルド」という言葉も、シナリオ上の言葉に留まらず、むしろコンテンツ業界全てに向けての台詞としか思えなかったり。それも普通に考えれば皮肉なんだけども、ごく当然のように思っていそうというか、「悪意なき本音」みたいなのは感じたところ(笑)。

 いやホント、「これを機に」というのは色々な意味で感じたところでありまする。
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