管理社会がそんなに嫌かと

 引き続いてサルベージ。
 事実上別件の前座なのでエントリは分けました。

 同スタートレックTNG #113 “The Masterpiece Society”(この辺は日本放映時の順番がバラバラみたい)
 こちらはDNA改造により個々人の役割レベルで統制管理された管理社会のお話。
 まぁ結果としては亡命者23名という「大失態」に他ならない話でしたが。
 ただいつもと違って移民集団即ち「同じ人間」だという所に、艦長も人としての感情が先立ってしまったのだろうなぁなどとも考えてみる。茹でダコ星人ですからね。


 むしろこの管理社会の設定を見て(Wii)「Opoona」を思い出してしまった。
 こちらは適性に応じたノルマをこなせば後は遊んで暮らせるという超ノルマ社会(主人公は体よく魔物退治。内勤ノルマとの差が激しすぎるというのは野暮な突っ込みか)。しかし、そんな管理社会の長が実は悪人で何もかも操作されていましたというありきたりに蛇足を加えたようなシナリオは、初見で想像がついたとはいえ情けなくて涙も出ない。何つうかまるで正月のNHK番組で見た若者の政治不安の現れのような、そんなチープな発想をかましている暇があったら折角の空想社会を描ききってみろと。わざわざこんな有り得ないくらいの理想郷なんだかどうかも分からないノルマ社会を構築したのだったら、その社会の上に何を成すかが作品世界をきちんと活用したシナリオ作りというものだろうに。
 まぁ自分自身、地軸が傾いた惑星を舞台にした冒険、という程度の軽い気持ちで手を出した物に過ぎないけどさ。でも別に大した冒険になっているでもなし、イベントをノルマという単語に置き換えただけの、ガワを剥げばいつもと変わらぬ構造には、流石に苦言の一言でも漏らしたくはなるというもの。せめて舞台に身を投じさせる何かという物をきちんと考えて欲しい。

 結局の所、「何をやっているか」という問いに「いつもの事」という回答しか得られない事実に、これらの病巣が埋まっているんじゃないかと常々思うのですがね。キャラがアレだからとかそういうのは後から付いてくる話。

 ・・・という所まで書いた辺りでまた余計な話をしようとしたのか、文章の締めに迷って止まったっぽい。(今回、最後の所だけ修正)
 強いて付け足すならば、昨今目に付く和製SFってこんなプロダクションIGの生気のない情報管理社会みたいなSFばかりだよな、と。自分もSFをどうこう語れるほど精通してはいないけど、何も難しい話をしろって事ではなくて、藤子F不二雄のSF短編みたいなので良いんですよ。あれ一冊読むだけでも違うと思うけどなぁ。