白い悪夢

 頭痛くなって再プレイする気力も無かったので見切り発車くさいけど書いてみた。
 そういや某氏もプレイしてた日に「頭痛い」連呼してたし、あの一人称故の「酔い」加減は、個人的にはスルー出来ていたつもりだったけど、実際には脳味噌に相応のダメージが溜まっていたという事なのかもしれない。

 そんな訳で、「Mirror’s Edge」クリア。
 まぁ、懸念したほど悪くはなかったけど、期待したほど良くもなかった、という感じですか。凡作。

 結局、戦闘まがいの逃走シーンが最後までネックだったように思う。ここは、思ったほどの柔軟性は無い3Dアクションに少しでも幅を持たせるつもりで盛り込んだ物なのだろうけど、実際、「最短経路を紡ぐ」という基本方針には何ら変わりはなく、むしろただでさえ多くはないルート選択の幅をより一層狭めてしまう程度の働きしかない。ましてや後半に出てくるランナー部隊、彼等はこちらと同様の身体能力で後ろから追い立てて殴りかかる役割なのだけれど、こんなものは、プレイ当初の攻略ルートを把握してないが故に立ち止まってしまうプレイヤーをいたぶるという働きしか為さない。幸いにしてパズル性の高い場所には出てこないので困らされる事も無かったけれど、それだけに無意味且つ忌まわしいだけの存在という結果には幻滅しか生まなかった。
 これら敵の存在は強いて言うなれば、「ここを通れば速いのに」という場所に配置して、それを回避して安全ルートで行くか、頑張って突破してみるかという二択あるいは三択以上の選択肢が提示できて初めて機能するものだと思う。勿論その突破ルートにしても安易なものではなく相応の工夫が活きなければただの覚えゲー。
 また時間的に追い立てる役割ならば素直に時間制限の方が良かろうものを、これは殆ど無い上に基準が甘甘でまるで意味がなかったという。
 こういった点は、偏にレベル(マップ)デザインの問題と言えばそう。ここはラリスポ2でも課題だった部分だけど、当時はリソース不足が主だった敗因だったのに対し、今回は純粋なデザインの甘さという結果なので正直やるせない。
 そもそも根本的な設計が「FPSの延長線上」でしかなかったように思う。ビルの上を駆け回るというコンセプト映像とは裏腹に、大半はFPSに多い屋内探検シーンばかり。不自然に3D迷路化した閉鎖空間で、従来のジャンプ移動に加え+αの機動力で変化を出してみましたというのが事実上のゲームデザインという事になるのかもしれない。実のところ、開発当初は主人公が銃を持っていたというし、ならばこそ今となっては蛇足でしかない銃撃シーンが各所に盛り込まれているのも納得。
 出発点が「(こちらが想像したような)3Dアスレチックアクション」ではなく、「FPS+α」だったとすれば全ては納得が行くし、所詮はそんなものだったのだろうなと。無論、FPS隆盛の海外であればやむを得ない向きもあるけれども、半端な覚悟では半端な結果しか生まないと思うのですよ。まぁここはDICEが悪いのかEAが悪いのか分かり兼ねますが。

 メインテーマの雰囲気は凄く良かったんだけどなぁ。あの「開放感」と言ったものは半分フェイクだったのが痛い。外に出れば狙撃されてばかりだし、中に籠もっても追いかけ回されてばかり。結局、逃げ回ってばっかじゃねえかよ!という(笑えない)。
 何と言うか、白基調のアートデザインに不煮詰まりのゲーム性というと(GC)「PN03」を思い出して困る。まぁ迷走の極致といったあれに比べれば、遥かに高水準に収まってはいますけどね。