とまとあどべんちゃー

 「(DS版)ヘラクレスの栄光」
 何もここまで3をなぞらなくてもねぇ。これで「私の名は○○○○」とか言い出したらDS投げる(フリだけする)、ホント。
 あとやっぱ主要キャラはおろか、町人の会話も何だかピンと来ないんだよね。昔はもっと諸国漫遊だったからそれぞれの国の個性が強調されていただけだろうか。今回はさしたる苦労もなく第一目的地に着いてしまったので、似たような村や町を通っただけで、まるで「長旅の末」という感覚がない。まぁむしろシナリオ的にはここがスタート地点?という感じなのかもね。プレイ時間だけ見るともう14hとか行ってますけど。あ、これも3っぽいのか(苦笑)。

 ぼちぼち最上級魔法が限定的に手に入りだして、ゲーム的には中盤な雰囲気。
 戦闘についても大分軌道に乗ってきたところで書いてみると、「システムを強調するあまり結局は作業になっている」感じ。一撃必殺パターン作ってナンボな上に、リアルタイムアクションと違って所詮はコマンドRPGなので、不確定要素と言えば「魔法強化ミニゲーム」くらい。しかしこれも相当難易度は落としてあるのでレベルMAXでナンボ。こうして「こなすのが当たり前」なバランスに収めたら、それは即ち作業なのですよ。
 とにかく嫌らしいのが「オーバーキル」システム。大ダメージを与えるか、倒れた後の死体に鞭打つかで、(同ターン内に)余剰ダメージを蓄積させると死体をMPに変換して回復できるというシステム。文面上ではただのラッキーボーナスくらいに思っていたのだけれど、実際は「消費したMPを丸々(或いはそれ以上)回復できる」レベルのもので、対して普段の魔法やスキルのMP消費がバカでかい。入手当時だとせいぜい1回使えればいい程度の大きな消費値に設定されていて、それを効率良く回収しないと泣きを見るよ、というバランス。まぁデータが取れれば容易にループ出来るレベルですが。即ち、ヘタを打つと損をするというだけの設計。遊びの幅が全く無いよね。
 しかもこの大ダメージの為には魔法強化で170%だの200%だのにまで引き上げる方が断然有利で、実際にバランス的にもそういう「MAXでかませば一発で倒せて回復も出来る」ケースが多々。だからこそ安定してMAXに出来るヌルい難易度になっている訳だし、そうなってしまえば「やるのが当たり前」の、時間と手間を食い潰すだけの入力作業。何この悪循環。本来は単調なコマンド入力を盛り立てる為のシステムだったろうに。
(因みに、そこまでやる気のない人は回復アイテムでゴリゴリ押して下さい、という投げやりなヘタレ救済パターン)
 いや何も難しくしろという話ではないのですよ。何故に「マイナス方向に広がる設計しか出来ないのか」ということ。予め最大値を設定してそこから逆算するようなゲームデザインが悪いのだと思っているけど。いや勿論、歯止めの意味での最大値の押さえは計算しておかないとダメだけれど、最大値を前提にしてしまうという事が危険。素直に「上手く行ったらラッキー」というバランスにしときゃ良かったのにね、という話。

 戦闘中のミニゲームで攻撃力強化というと自分は(GBA)トマトアドベンチャーで通ってきた道ですが。
 あれは8段階程の挑戦レベルを予め選ぶ方式だったけど、元々ヌルいお子様RPGだから恐らくは下の方のレベルでバランス調整していただろうし、何よりそんなにカッチリと難易度を詰めていたようには思えない「これは無理くさい」といった物も多々あったので、逆に割り切って「自分でやれる範囲でやればいい」と思える作りだったのは幸い。ミスせずミニゲームをこなしていけば必殺技「すごいの」メーターが溜まる、というのもそれこそプラス方向での働きだったからね。

 そう言えば、あれはミニゲーム成功時のドットアニメーション自体もご褒美だったと言えばそうかな。こちとら見てもしょうがない(失礼)ポリゴンアニメーションなので、どうせなら攻撃アニメーション中のミニゲームとしてしまえば時間節約でもあったのにね。それこそアニメーションを見るヒマがない「バテンカイトス2」みたいに(笑)。