手探りの塔

 この前の補足。
 そもそも「ドルアーガの塔」は、それ以前に「全ステージノーヒントの手順探し」という鬼仕様が待っている。宝箱の出し方にせよ最上階の抜け方にせよ、全て手探り。(実際は全階必要ではないけれど、それはあくまで判ってからの話というもの)
 うちら一般層でこそ攻略手順を予め全て知った上でプレイするのが当たり前だったし、それでも前回のあの有様。アーケードからやっていた人にすれば何もかもが伏せられててナンボだったから、内部構造を読み取るのも同軸の概念として捉えられていたんだろうね。立脚点の違いですか。
 ただ正直、一から試すには余りにも条件が発散しすぎてとても正気の沙汰とは思えないこのシステムが何故受け入れられたのか、とは今でも思うけどね。答えが見え見えでただの手順反復と化してる今時のゲームを良いとも言いたくはないけど、流石に此処までやられるのもキツいとは思う。
 この点では、後年リメイクされたPCエンジン版の方がしっかり良心的に出来ていたのかも。ちょっとやっただけなので記憶は曖昧だけれども、ギル(プレイヤー)の成長状態がビジュアライズされたのと、ステージ前にイシターのヒントが加わったのは覚えている。他にも随分と新規アイテムも追加されていたし、オマケ宝箱で更なる強化アイテムもあったものだから、オリジナルの質実剛健っぷりを既に通過していた身としては総じて過剰装飾な印象が強くもあったけどね。でも今にして思えばあれでやっと一丁前のゲームだったのかもしれない。追加アイテムの件はともかくとして、ヒントを頼りに探すくらいが落とし所だし。それならやってもいいかなと思える訳で。
 ただついでに言うと、それでも当時出せなかったのがあるんだけどね(笑)。後で確認したら条件としては合ってたけど、何か微妙にアプローチが間違ってたのかねぇ。まぁそれくらい、条件の発散が厳しいという事で。
 昔はノーヒントのゲームがゴロゴロしてたけど、本当によくやってたと思う。適度に収束させるくらいの舵取りがあるといいなと。