ダイナソーハンティング(無関係)

 うーむ、忙しいというより時間が無いだけなんだけど。
 思い付くネタはあっても気力と余力が伴いませんよ。
 正直、行き帰りの読書が一番確実且つ一番面白い今日この頃で御座います。

 という訳でたまには書いてみよう。
 昨日読み終えたSF小説、「さようならダイノサウルス」(ロバート・J・ソウヤー)

 いやいやこれはもう。タイムトラベル物だったのでてっきり噂の「乱丁でタイムループ発生?」の奴だと思い込んで、それこそ今か今かと(笑)。これで「キター」となったらもう最高だよ、と余計な所で盛り上がってしまった所為か、別の作品だと知ってしまった後は普通に話が収束してしまってある意味拍子抜けしてしまったような(ォィ)。何てこったい。

 それはともかくとして、非常に読み易く分かり易い良作でした。やっとこさこの辺の善し悪しが分かるようになってきた気はする(今更)。いや如何せん、直前に読んだのがイーガンの「ひとりっ子」で、こいつは特に堅物な奴だったらしく全然頭に入らなくて軽く凹んでいたりもしたもんで。(Oracle嫌いになりそうです(違))
 この点、やっぱり某氏から借りる本の方が圧倒的に当たりが多い。悔しいかな、一度くらい自分でコレってのも見付けてみたいものだけれど。やはり積み上げてきた歴史の差が圧倒的か。

 因みに何が良かったかというのは、解説を見て貰った方がより適切だとは思うけれども、実際言われるように構成が非常に綺麗。
 伏線の張り方が丁寧な作品というのはそこかしこで見るけれども、理屈モノの悪い癖か伏線を伏線たらしめる作り方が鼻に付いたり、ややもすれば言い訳の積み重ねに終始してラスボスが廃品回収になってるような酷い作品まで出てきたりと、個人的には却って良い印象の無い部分。
 この点、今作はキャラクターとそのバックボーンがまずあってそれが自然と話に結び付いていく感触、勿論それも意図的であればこそ成り立っているのだけれどもそれを感じさせない、そういう自然発生的な文章構成が良かったのだと思う。
 まぁ、どんでん返しの代わりに偽タイムループを期待してしまっていた自分には、ってまだ言うか(笑)。
 本物の方も楽しみにしておきますヨ。

 しかしこの作品に限らず、私的には最近タイムワープやパラレルワールド物を見る機会が多いのだけれども、ぶっちゃけ自分の貧相な脳味噌ではパラドクス云々でとっくに頭打ちになる所を、あの手この手でよくもまぁこれだけ話を膨らませてくれるな、と。ほとほと感服致しまする。